都立谷中霊園(東京都)の調査員現地レポート

都立谷中霊園(東京都)

2018年05月31日

今回は東京都台東区谷中にある、『都立谷中霊園』を見学に行ってまいりました!
谷中霊園は歴史に名を連ねた著名人たちが数多く眠る場所としても知られており、見どころ満載の霊園ということで調査員もとても楽しみにしていました(^^)

最寄駅は、JR山手線・JR京浜東北線「日暮里駅」、京成本線「日暮里駅」から、ともに徒歩約5分ほど。交通至便の立地です。
今回はJR日暮里駅の南改札口から向かってみます。

南改札口を背にして左に進み、陸橋を渡ります。0000000061-001.jpg


左側の、スロープ付きの階段を上ります。0000000061-002.jpg


そのまま道なりに歩くと、5分ほどで谷中霊園さくら通りに到着です。0000000061-003.jpg


谷中霊園は明治7年(1871年)に開園した歴史ある都立霊園です。
霊園内は天王寺や寛永寺などのお寺の墓地が入り組んで形成されており、約10ヘクタールの広大な墓域を成しています。
天王寺は園路に向かう途中で見ることができます。0000000061-004.jpg


さくら通りはその名のとおり桜の名所として知られておりますが、本日は新緑薫る青葉がお出迎えをしてくれました。0000000061-005.jpg


5月にしては強い日差しでしたが、木陰になるので歩いていても苦になりません。
樹木の葉が風でダイナミックに揺れていて、木漏れ日がとても気持ちよかったです!

園内は東側が傾斜しているほかは平坦な場所が多く歩きやすいです。
海外の観光案内や、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも掲載されているせいか、外国人観光客もよく見かけました。春には桜並木を見に、今より多くの人出があるようです。0000000061-006.jpg


谷中霊園には一般埋蔵施設(一般的な、墓石を建てるお墓)と、立体埋蔵施設があります。
平成30年度は、一般埋蔵施設(1.50~1.95平方メートル)が60か所、立体埋蔵施設が70か所の募集があります。
7月に申込み、8月に抽選がありますが、谷中霊園は例年倍率が高く、都立霊園の中でも大変人気がある霊園です。

園内は歴史を感じさせる年季が入ったお墓から新しいお墓まで見受けられました。0000000061-007.jpg


さくら通りをまっすぐ歩いていくと、左に天王寺五重塔跡が見えてきます。0000000061-008.jpg


以前はここに天王寺の五重塔があり、谷中霊園のシンボルとなっていました。
幸田露伴(こうだろはん)の小説「五重塔」のモデルになったことでも有名です。0000000061-009.jpg


谷中五重塔は総ケヤキ造りで当時高さが34.18mありましたが、1908年に心中による放火で焼失してしまいました。現在はベンチが置かれちょっとした広場になっていますね。
こちらでは日光浴をしたり、読書をしたり、ギターの練習をしている方もいて、とても穏やかな空気が流れていました。

さらに進むと、左にトイレ、右に谷中霊園管理事務所が見えてきます。0000000061-010.jpg


霊園マップなどの資料配布やお墓に関する各種手続きは、こちらの霊園管理事務所でしていただけます。
また管理事務所内には、先程ご紹介した谷中五重塔の模型(50分の1)が飾られており、鑑賞することができます。
  
ここから左の小道に入ると立体埋蔵施設がありました。
立体埋蔵施設は、親族によるお墓の管理が不要で管理料がかからないのが特徴です。
使用許可日から20年間地上の納骨室に個別埋蔵され、その後地下の納骨室に共同で埋蔵されます。ご遺骨3体まで埋蔵可能とのことです。0000000061-017.jpg


この近辺では著名人のお墓も見つけました。
まず、日本画家 横山大観のお墓です。0000000061-011.jpg


元首相 鳩山一郎とご家族のお墓もありました。お墓に刻まれている「尻合わせ三つ結び雁金の紋」は鳩山家の家紋でしょうか。0000000061-012.jpg


またしばらく進みますと、少し開けたところに出ました。
目の前に ドドーンッ とスカイツリーが!0000000061-013.jpgまわりに遮る物がなく、天気が良好なこともあり絶景でした。
このような都会の景色が望めるところも谷中霊園の魅力のひとつです。

さらに進むと大きな石碑が並んでいるのが見えました。
左から二番目にあるのが「日本資本主義の父」ともいわれる渋沢栄一のお墓です。
付近では園児たちが楽しそうに駆け回っていて明るく和やかな雰囲気でした。0000000061-014.jpg


さらにこの近辺は寛永寺の墓域となっており、徳川十五代将軍徳川慶喜公のお墓があります。調査員は最後に徳川慶喜公のお墓をまわりました。
徳川慶喜公墓所の案内は至る所に掲げてありましたので比較的わかりやすかったです。0000000061-015.jpg


今期大河ドラマ「西郷どん」の影響もあり、多くの方が慶喜公の墓に足を運んでいるようでした。
お墓は墳墓になっていて、向かって左が慶喜公のお墓、右が正室 一条美賀子のお墓とのこと。調査員は墓石の前で手を合わせ、歴史の風を感じながら帰途に就きました。0000000061-016.jpg


~見学を終えて~
下町情緒溢れる谷中霊園は多くの人が行き交い温かみのある霊園でした。
年月を重ねた大樹や、随所にある著名人のお墓に囲まれて歴史を感じられる一方で、少し開けた場所からは、青空にそびえ立つスカイツリーやビルの対比が非常に綺麗で心を打たれました。
23区内にある貴重な都立霊園で、最寄駅からのアクセスもよく、おすすめの霊園です。
今年度の募集や申し込み方法については、『平成30年度都立霊園の詳しい募集要項』をご覧ください。