源覚寺 小石川墓陵(東京都)
源覚寺 小石川墓陵 見学レポート 2022/08/03
■夏目漱石の「こころ」や、樋口一葉の「にごりえ」にも登場する源覚寺が経営主体の納骨堂。
源覚寺といえば「こんにゃくえんま様」が有名ですね。小説にも登場するえんま様なのでご存じの方も多いと思います。
江戸時代後期、眼病を患いあらゆる治療を試みるも治ることがなかった老婆が、好物であったこんにゃくを絶ってえんま像に毎日祈願したところ、夢にえんま様が現れ「自らの片方の目を老婆に与える」と告げました。目覚めると目は治っており、代わりにえんま像の右目は潰れていたそうです。自らの目を犠牲にして民を救う、心の優しいえんま様。
そんな心の優しいえんま様がいらっしゃる源覚寺が経営主体の納骨堂が「小石川墓陵」です。
さっそくお邪魔してみましょう。
入り口を入ると、エントランスの正面に千手観音様がいらっしゃいます。エントランスの奥では法要や葬儀後の会食を行うこともできるそう。その際は間仕切りを動かすことで、プライベートな空間が保てます。
■檀家にならずとも、源覚寺のご住職の想いが感じられます。
お寺の境内はすぐ隣なので、いつもお寺のご住職が近くにいてくださいます。毎朝6時にご住職自ら掃除もなさいますし、お参りに来る方に少しでも気持ちよく過ごしていただきたいというお気持ちからスタッフの人数も通常の納骨堂の倍近くいらっしゃるそうです。
1Fロビーには美術品なども展示されとても綺麗にされています。
ロビーから見える庭も様々な植物が。
源覚寺には向西堂(こうさいどう)という葬儀部門があり、もしご不幸があった際は24時間対応していただけます。契約者の方に渡される納骨堂のカードキーの裏側にはもしもの時の連絡先が記載してあるので安心です。
小石川墓陵内にはご面会もできる安置室も完備しており、もしもの時は全てを小石川墓陵で行うことができます。不幸があった際は悲しみのなか、様々な手配をしなくてはいけません。それはとても大変なこと。だからこそ普段から慣れ親しんだ場所で全てを行なえたら負担も少ないであろう。出来る限りのお手伝いたい。というお寺様の想いから、実現したそうです。
■宗教、宗派不問。どなたでもご利用でき、パートナーとも一緒にお眠りいただけます。
契約者からみて縁故者であれば一緒に納骨ができます。例えば、嫁いだ娘さまや、事実婚の方、同性のパートナーの方ももちろんOKです。これもいろいろな方に求めていただける場所にしたかったというご住職の想いからです。
ご住職は考え方がとても柔軟な方で、例えば、お寺の境内にはペット専用の永代供養墓があります。同じ敷地内で一緒に眠ることができるので、小石川墓陵をご契約されている方でもご利用者が多いそうです。ご希望があれば法要も行っていただけるそうです。
ご住職は寄り添って共に考えていただける方。例えば海外にいて葬儀に参列できない親族の方にはZOOMを使って参加できるようにしたり、コロナの流行で足を運べない方のためにYouTubeでお盆やお彼岸の合同法要の配信もされたそうです。
■空が見え、風を感じ、自然の光に包まれるテラスのある参拝室。
室内の納骨堂というと暗いイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、そのイメージを払拭してくれるのが、4Fにあるテラス付き参拝室。
テラスには様々な植物が植えられ、季節ごとに花も咲きます。そのテラスには温かみのある木製の大きなベンチがあり、テラスで故人との思い出に浸ったり、中には本を読んで故人とリビングでくつろぐような感覚でご利用される方もいるそうです。小石川墓陵の周りは住宅街なので、とても静かな時を過ごせます。
参拝室からテラスを見るとより緑が綺麗ですね。故人にも気持ちの良い風と緑を届けてあげられるととても好評だそうです。
■その日の気分で参拝室を選んで参拝できます。
テラス参拝室はもちろんですが、建物全体でとても窓が多く、自然の光が多く入る作りになっています。
3Fの屋内参拝室は可動式の曇りガラス戸があり、プライベートな空間が保て個室感覚でお参りすることができます。
3Fと4Fでは参拝室の作りが異なることだけでなく、墓石の種類も異なりますので、ご使用者様は3Fでも4Fでもその日の気分で参拝室を選んでお参りすることが可能です。各参拝室にはタッチパネルとモニターがあり中央にご遺骨が収蔵された厨子がセットされます。
好きな参拝室を選び、1分程待てば、故人との再会です。
参拝室にはお花、お香がセットされ、手ぶらでお参りが可能なのですが、故人が好きだった花を供えたい、神道なので御榊を供えたいというお声があり、お花をセットしていない参拝室も用意されています。
2Fには納骨専用のフロアがあり、納骨をする際は2Fを使用します。周りを気にせずゆっくりできるようにとの配慮からです。
お盆やお彼岸などの繁忙期は2Fも参拝フロアとして開放するそうなので、参拝室は最大14。お参りの順番待ちの心配もありませんね。
■ご遺骨は何体でも受け入れてくださり制限はありません。
ご遺骨を納めるのは「遺骨収蔵厨子」という大きなステンレス製の箱のようもの。正面には石でできた銘板を取り付けます。銘板には家名などのほか「心」や「ありがとう」など好きな言葉を彫刻できます。オプション料金で、好きな花、故人の書道、好きだったワインを家紋風に入れる方もいたそうです。銘板は黒御影石の他オプション料金で5種類から選ぶことも可能です。
厨子には7寸の骨壺ですと2名様。骨袋に移せば8名様まで一緒に納められます。遺骨をパウダー状にして納める場合、通常、外部の業者にお願いするところがほとんどですが、小石川墓陵の場合は源覚寺のスタッフの方が手作業で行っています。大切な遺骨ですからお寺様が行ってくださると安心感がありますね。
■万が一後継者がいなくなっても、永代にわたって供養していただけます。
年間護持費を納めている間はご家族でずっと一緒の厨子で眠っていただくことができます。年間護持費は年に一度の引き落としですが、自分に何かあった際にお子さまに負担をかけたくないという想いから、10年単位、最大50年分の年間護持費の前払いもご相談にのってくださるそうです。また自分が最後になる場合、すぐに永代供養墓に移すのは…というお客様のご要望から護持費の預託金制度があります。これは最後の人が入ってからの10年分の管理費を前払いしておくというもの。とても柔軟な対応をしていただけるのは嬉しいことですよね。
もちろん、永代供養墓に移ってからもきちんと供養してくださいます。他の方と遺骨が混ざることがないよう、さらしに巻き、そこに戒名を書き入れ、骨袋に入れて納骨します。他の方と遺骨が混ざってしまうことに抵抗がある方には最適ではないでしょうか。
■駐車場を20台分に広げ、車いすから直接館内に入れる駐車場も完備。
小石川墓陵のメリットの一つとしてアクセスの良さがあります。
4つの路線を利用できますし、それぞれの駅から小石川墓陵まで2~4分ととても近いです。
近年のコロナの影響で電車に乗るのを控えたいという方が増え、今まであった15台の駐車場のスペースを20台分に拡大したそうです。もちろん駐車場の料金は無料。
広々とした駐車場の他、建物のすぐ横には車いすの方が直接館中に入れる駐車場も完備しています。今は元気だが将来を考えると不安であるという方への配慮は他にも。車いすの方もご利用できるお手洗い、大きなエレベーターはもちろん、参拝する際に車いすが邪魔で、お香を自分であげられないということがないよう、墓石の足元の部分をアーチ形のデザインにしているなど各所に工夫が施されています。
オムツの交換台もついている多目的トイレ。とても綺麗に清掃されています。
エレベーターはとても広く、車いすに乗ったまま、方向を変えることも可能です。
このアーチがあることで車いすの方も自分でお香を焚いていただけます。細かな配慮が行き届いていますね。
■見学を終えて
源覚寺は地域には欠かせない場所になっており、毎朝手を合わせる方はもちろん、会社帰り、門が閉まっていても門の前で一礼してから帰る方もいるそうです。また地域とのつながりも深く7/23、24は3年ぶりにほおずき市を開催し、準備したほおずきは初日でほぼ完売したそうです。そんな地域の方から愛される源覚寺が経営主体であり、境内の隣にある納骨堂であれば故人の方も安心して眠っていただけそうだと思いました。
ご興味のある方は電車でもお車でもどちらも利用可能ですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。