樹林墓地のメモリアリゼーションとは?―無名墓のルーツとは?―
6月29日(金)、都立小平霊園の新墓地形式である"樹林墓地(合葬式)"の見学会に行って、数の解決に違和感を感じた。
戦前に計画され、昭和23年開園の小平霊園は、先進的な墓地形態を試験的に採用、実現して来た。芝生墓地、壁型墓地、合葬墓(生前申込と、死後遺族が申込む、20年貸付式)等々。園内は、緑豊かで美しい公園型霊園だ。
"樹林墓地"は、管理事務所の裏手にある。フェンスで区切られ、入口には鍵がある。勿論、勝手に遺骨を埋葬されぬためだ。
言葉が先行し、一人に一本の樹木が植えられるかのように一般の方々はイメージするがそうではない。5種類の樹木が中心に植えられている。地上より85cmぐらいの位置に、石積みがされ、400名分の遺骨(粉骨かそのままの遺骨、粉骨は一体44,000円、全骨は132,000円と3倍の値段)が入る、マンホールのようなコンクリートの土管状の納骨室が27個、10,700体分付設済みだ。都内在住3年以上で、生前申込み(一人用と二人用)と、死後遺族が申込む(一人用と二人用)がある。個人、夫婦、親子、兄弟、姉妹でも申込める。自然に還りたいと考える人にとって、カロート下は土になっており、将来改葬されることもない。埋葬手続きを、事務所で行い、職員と遺族が献花台の前で、最後のお別れをする。1ヶ月後に、たまった遺骨を職員が、カロート内に埋葬し、土を上に撒き、また骨を上に乗せて土を撒く。言葉が悪いがサンドウィッチ式だ。墓碑は無い。一歩まちがえれば、遺骨の捨て場ととられやすい。
1990年、北欧墓園視察団に参加することが出来た。その際、ミンネスルンド(無名墓)を見た。芝生を、丸くカットして、遺骨を土に直接埋葬する形式。名前に刻まれない。その発生は、罪を犯した人のための墓地であり、名前が刻まれなかった。90年代には、環境への配慮ある墓地として人々に支持されたと言っても一部の極わずかな人々が利用する。日本のように、多くの方々の合葬は珍しい。
何故なら、墓には"メモリアリゼーション"(追悼、記念する)が大切で、名前は欠かせない。その為、樹木葬墓地でも、名前を刻む例が海外(中国)や日本の民営墓地(樹木葬)に見られるからだ。名前こそ"生きた証"を示せる大切なメモリーである。