骨壺もエコの時代到来―どんぐり型のかわいい木製骨壺も―
3月下旬、ラスベガスで開催されたICCFA(国際火葬墓園葬儀協会・創立125周年の伝統ある協会)の年次大会に、5年ぶりに行ってきました。私は、1988-91年まで、ACAU(全米墓園協会大学、現ICCFAU)に留学、卒業した唯一の日本人です。年次大会は、4日間開催されますが、総会と各種セミナー、ビジネスコンベンション(葬送関係の展示会)が開かれます。
5年ぶりの会場で、目についたものは骨壺です。陶器、ガラス、金属製、木製等様々な大きさとデザインが出展されていました。業者も、現地のアメリカ、中国、インド等様々です。死後の復活のために、キリスト教やイスラム教の宗教上の理由で土葬率がまだ70%のアメリカ。あのマイケルジャクソンも火葬されず、モウソリューム(霊廟)に埋葬されています。火葬後は、焼骨をグラインダーで砕き砂状にします。そのため、どんな骨壺にも遺骨は入れられます。故人が好きな海を連想させるイルカの骨壺、本好きにはブック型、アメフトのヘルメット型など多種多様です。
今回のICCFAのコンベンションで、どんぐり型のちいさな木製骨壺を見つけました。アメリカでは、日本のように火葬後すぐ家族が拾骨しません。後日、火葬証明書と遺骨が郵送で届きます。そのため、熱を持たないため木製の骨壺でも問題ありません。形は、日本の携帯電話ドコモのドコモダケに似ているキャラクターです。こけしのように、木をくりぬいて出来ています。頭の笠の部分が、ねじ込み式になっており、高さ7センチ、幅5.5センチ程度のもので、散骨後分骨用の手元供養にぴったりの骨壺です。気になったので、一ついただいてきました。プラスチック製の台座があり、デスクの上にでも置けそうなつくりです。そのほかの大きなどんぐり型木製骨壺もありました。
土葬用の棺もエコがキーワードでした。イギリスのメーカーが出展していた、圧縮した厚いフェルト状の羊毛で出来た棺や、アメリカのメーカーが出していた籐製の籠のような棺など、土に還る素材が21世紀のエコ時代を反映しています。人工的なものから、地球にやさしく、シンプルで、こころとからだにやさしいものが求められているのです。
葬送の分野にも、エコの時代を反映していることを、コンベンションで強く感じて帰国しました。自然と共生することを当然と感じる日本人がかえって教えられました。