墓じまいってなに? ~墓じまいと改葬の違い~
・後継者がいないから墓じまいをしたい。
・お墓が遠くにあって、なかなかお参りにも行けないので、近くに移したい。
一見するとまったく別物のような内容ですが、実はこれはどちらも「改葬」といわれる事柄になります。
「改葬」というのは、今埋葬されているお墓から遺骨を取り出し、別のところに埋葬し直すことを言います。
こういった話をすると
いやいや、もうお墓は面倒見られないから、いらないんだよ。だから墓じまいをしたいんだ。
と仰る方が多くいらっしゃいます。
今あるお墓を片づけるのがお墓じまいだと、大半の方はそのように思ってらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんそれも半分は正解です。ただ、それだけでは「墓じまい」は終わらないのです。
建っているお墓を片づけても、まだ残るものがあります。
それが「埋葬されているお遺骨」です。
墓じまいしたら、遺骨は別にそのままでいいんじゃないの?
そのような疑問が浮かんでくるかと思います。
墓石を片づける際に、まず埋葬されている遺骨を取り出します。
その後、墓石の撤去工事をしていくわけですが、さて、では取り出した遺骨は?
実は遺骨はそのままにしておくことができませんので、どこか別の御墓に移し替える必要があります。
ここで最初の「改葬」という言葉が出てきます。
1)いまあるお墓を撤去
2)遺骨を永代供養墓などに収める
1)の部分が墓じまい、1)2)と合わせて改葬、というわけです。
そのため、樹木葬や散骨といった方法で埋葬されていた遺骨を供養することも、
今の住まいの近くに新しくお墓を立てて、そこに移し替えることも、
いずれも「改葬」と言います。
墓じまいは改葬に含まれる工程の一部分であることを、まず、ご理解いただければと思います。