~墓参りで墓石に水をかけるのは何故ですか?
先日「墓石に水をかけるのはなぜですか? お墓参りの作法ですか?」~というご相談がありました。
お墓参りでは、まずお掃除して墓石をきれいに洗って。それからお花やお供物を供えます。
そして掃除後に水鉢に水を入れ、一番上の墓石(棹石)から水を注ぎますね。
このように墓石に水をかけることの意味は、一つには水はすべてを清めると信じられているからです。水垢離(みずごり)や川や海で禊(みそぎ)をするのと同じ信仰です。
さらに仏教でも、真言宗では水そのものが大日如来とされ、水で体を洗い清めることで徳を得て仏になれるとも言われています。また天台宗でも水を大切にされ仏として説いています。
仏教だけでなく神道でも「水」は尊い存在として大切に守られてきました。
もちろん、そうした宗教が伝わる以前から、日本では川や山を敬い水を大切に守って暮らしていましたね。石器時代も縄文時代も私達日本人にとって一番大切なものは「水」でした。
だからこそ現代でも「冠婚葬祭」の重要な場面で、「水」は大切に扱われているのだと思います。
作法ということではありませんが、お墓に水をかける時には静かにやさしく棹石の上から、少しづつ三回水を注ぎます。そして注ぐその水には私達の思いと、仏や自然やご先祖の力が満ちているのだと思います。