墓所と石材店の関係。
「指定石材店」という言葉はご存じでしょうか?
全国の民営霊園、寺院墓地に存在する制度です。
霊園内における墓石の購入や建立を、決められた石材店でしか行えないというものです。
都立・市営などの公営霊園では「指定石材店制度」がありません。
好きな石材店に建墓を依頼することが可能です。
民営霊園の場合、そもそも現在の法律上、宗教法人、公益法人以外の民間企業による墓所の経営ができません。
ただし、霊園の開発をしていくための費用を宗教法人だけでまかなうのはかなり難しいのです。
そこで石材店が資金協力を行い、墓地が売れた場合に石材店が建墓をして利益を出そうとします。
こうした流れからその霊園の開発に協力した石材店が「指定石材店」になります。
寺院墓地の指定石材店は、民営霊園とは違い、大事な檀家のお墓を不慣れな業者に任せることへの不安などから、お寺の信頼のおける石材店に任せるといった実情があります。これは住職の意向によるので、石材店の制約がないところもあります。
民営霊園ではどの時点で石材店が決まるのでしょうか?
例えばこのもしもドットネットのようなお墓のポータルサイトから資料請求を行った場合、請求内容をもとにそのお墓の指定石材店に資料送付の依頼が行われます。
届いた資料を見て見学などを申し込むと、その石材店が担当となることがほとんどです。
また直接霊園に行った場合、そこで対応してくれた業者がそのまま担当石材店になることが多いです。
墓所はあるが、石材店は知り合いの石屋に頼みたい、といった質問をいただくことがあります。
指定石材店制度のない、公営墓地、許可が得られる寺院墓地であれば可能ですが、
民営霊園ではその石材店が指定石材店でない限り、依頼はできない、というのが現実です。