お墓に使われる石のお話①
墓石に使われる石材には色々な種類があります。
石材は採れる産地によって色や材質、耐久性がさまざまで、その風土に合った石材が墓石として使われています。大まかな分類として「花崗岩」「閃緑岩」「斑レイ岩」「安山岩」の4種が挙げられ、産地や成分などにより300以上の種類がありますが、すべてが市場に安定的に供給されているわけではありません。
一般的に墓石として適している石材は、硬度が高くて吸水性が低く、風化しにくいこと、キズやムラがなくきめ細かいものと言われています。
お墓は屋外にあることが多く、常に雨風にさらされる環境下にあります。
そのうえ、親から子へ、子から孫へと長く受け継がれていくものでもあります。
そのため耐久性の高さが求められます。
耐久性を判断するものとして「吸水率」「見かけ比重」「圧縮強度」の3つがあげられます。
1)吸水率
吸水率は、石がどれくらい水を吸うかを示す指標。
吸水率が低ければ低いほど、水を吸いづらく長持ちすると言われています。
逆に吸水率の高い石は、しみ込んだ水が寒冷地などでは凍って割れることがあります。
そのため墓石に適しているのは「吸水率が低いもの」とされています。
吸水率が低くても、お墓の中に水が入ってしまうのは別問題ですのでご注意ください。
2)見かけ比重
一定の体積に対してどのぐらいの質量があるかを算出したもの。
重いほうが強度があり、長持ちする傾向といえます。
3)圧縮強度
物質を圧縮してどの程度まで耐えることができるかという指標。
当然、数値が高いほど強度や硬質が高いといえるでしょう。
硬度が最も高く最も水を吸わない石が、値段が高い石とも言い切れません。
石は天然素材のため、人気があって産出量が少ない石ほど希少価値がついて高額になります。
つまり「石質が悪いから安い」「良いから高い」とは一概に言えないのです。
具体的な石の種類に関してはまた次回。