香典で2万円、4万円は避けるべき?
昔から、香典で2万円、4万円は避けるべきである。さらに6万円、8万円など偶数そのものを避けるべきであるなどと言われてきました。それはなぜでしょうか。
まず「偶数」を避ける理由ですが、数字は古代中国から仏教や陰陽五行説という思想と共に日本に伝わりました。特に陰陽五行説では数字の奇数を陽(寿ぐもの)・偶数を陰(静まるもの)などと考えていた為に、今でも日本では冠婚葬祭の行事などで奇数を使う習慣が残っています。そして日本では、偶数が「割り切れる」数字であることに由来し、割り切れてしまう=故人との縁が切れてしまうという考えから、亡くなってしまっても、故人との繋がりをもっていたいという想いで割り切れる偶数は縁起が悪い、香典にはふさわしくないと、避けられてきたのです。
その中でも2万円はお札が2枚であることから「ふたたび」や「かさなる」などの言葉を連想させることから、不幸ごとが再び起こらないように、重ならないようにとの理由で避けられてきました。4万円は4が「死」を連想させるため縁起が悪いというのが理由です。
また奇数であっても、9万円は9という数字が「苦しむ」を連想させるので香典にはふさわしくないと言われています。
ではいくら包むのがよいのか。
これは相手とのご関係によりますが、親御様であれば5万円~10万円。ご兄弟が3万円~5万円。祖父母は1万円~3万円がひとつの目安です。偶数と縁起が悪いと言われる数字を避けるのであれば1万円、3万円、5万円、7万円、10万円が無難だと言えるでしょう。10万円は偶数ですが、10万円を超えるとあまり縁起のことは言われないため問題はないようです。少し不思議ですね。
そうはいっても、どうしても2万円、4万円を包みたい。そんな場合はどうすればいいのか。
避けたほうがよい数字はどれも言葉の連想から来るものです。4万円はストレートに「死」を連想させるので避けたほうがよいですが、2万円であれば例えばお札の枚数を1万円1枚、5,000円札を2枚の合計3枚にして包むことで2を回避していると相手に伝えることができます。どうしても2万円包まれたい方はそのようにされてはいかがでしょうか。
香典はお気持ちの表れです。万が一、相手が数字の連想や縁起を気にされる方であった場合を考え、包む額をお決めになるのがよろしいと思います。