迎え火と送り火。
お盆は古来より民間の慣習としていまも根強く残る行事のため、風習も地域によって大きく異なります。
神道やキリスト教など仏教以外の方でもお盆の行事は昔からの慣習として行なう、という方も少なくありません。
お盆の時に先祖の霊を迎え入れるために焚くのが迎え火、帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出すのが送り火です。
地域によって形式は異なりますが、自宅の玄関先などでオガラに火をつけるのが一般的な形でしょうか。
この迎え火や送り火は地域の行事として行なわれるものもあります。
秋田竿燈まつりはお盆を迎え入れる行事として、現在の形になったとも言われていますし、送り火の行事としては京都の五山送り火や、長崎の精霊流しが有名です。
精霊流しは、初盆を迎えた故人の家族らが、盆提灯や造花などで飾られた精霊船と呼ばれる船に故人の霊を乗せるとされています。
各地方で大切に受け継がれてきた風習や行事が、それぞれの名物として観光資源になっているのも興味深い話です。
そもそも「観光」という言葉もまた仏教用語なんだそうです。
私たちの生活には仏教の教えが根付いているのだと改めて考えさせられます。