~盆提灯のこと。
お盆といえば、やはり「盆提灯」ですね。
盆提灯は、お盆の迎え火・送り火として、またご先祖様や故人への供養の為に灯されると言われています。
元々「提灯」は、中国より仏教用品として伝わった物ですが、
江戸時代になると仏事の提灯(灯籠)から生活用品の提灯としても発達し、庶民の暮らしの中でも使われるようになりました。
そしてお盆には、盆棚(精霊棚)の両脇に飾るようになったようです。
盆提灯には、山や川、草花などの綺麗な絵が描かれていて、中には絵柄がクルクルと廻るもの(回り灯篭)もありますね。
綺麗な絵柄が描かれている理由は、「一年ぶりに家に帰ってこられたご先祖様に、故郷の景色や花をみせてあげるため。」とも言われています。
盆提灯のやわらかな灯りは(たとえ今はローソクでなく電気を使っていても)、幽玄でどこか暖かさを感じさせてくれるので、お盆に帰って来られたご先祖や故人を、より身近に感じさせてくれるような気がします。
また新盆(初盆)を迎える家では、故人が迷わずに初めてのお盆に帰ってこられるようにと、目印になるように白い提灯(白紋天)を軒先に吊り下げます。
白紋天は新盆の時にだけ用意し、お盆が終わったらお焚き上げをします。
そして絵柄の描かれた盆提灯は、丁寧にたたんでしまって、来年のお盆にまた組み立てて飾ります。
お盆のコラムはこちらにもございます。あわせてご覧くださいませ。
・お盆のお供え物をもらったらお返しは?
・お盆の後片付け