2/23は富士山の日
2/23は富士山の日ということで今日は富士山にまつわる話を少し。
日本の神様は、「八百万の神(やおよろずのかみ)」と言われ、古来より、海、山、川、滝、岩、田んぼ、米粒といった自然物、雷、地震、火山噴火といった自然現象など、ありとあらゆるものに神が宿っていると考えられてきました。
その中でも日本人にとって富士山が「特別な存在」であるのは誰もが認めるところだろうと思います。
2013年に富士山は三保の松原とともに、ユネスコの世界文化遺産に選ばれました。
「自然遺産」ではなく「文化遺産」であるのは富士山は古来、日本の象徴として日本人の山岳信仰や葛飾北斎らの浮世絵の題材にもなり、文化的意義が評価されたからなのです。
富士山が噴火していた昔、そのあまりにも激しく吹き上げる火焔に、当時の人々は怒る神の姿を重ね、「神仏が宿る山」とされてきました。
噴火を鎮める目的と、富士山の麓から山頂を拝む遥拝所として建立されたのが浅間神社です。
「遙拝」とは、遠く離れた場所から拝むことで、それこそ富士山には近づけないために神聖な場所を選び祭祀場としたのでしょう。
噴火活動が沈静化した平安時代の後期には、山岳信仰と外来の仏教が合わさった「修験道の道場」として、厳しい修行を行う場となります。
室町時代後半には、一般庶民の信仰による登山「登拝」も行われるようになり、富士山信仰が盛んとなった江戸時代からは、登山者が多く訪れるようになりました。
現在では信仰という意味での登山は少なくなっているかもしれませんが、山頂でご来光を拝んだり、噴火口の周りを一周する「お鉢巡り」などに、富士山信仰の名残が見えてきます。
実は今これを書いている場所からも富士山を眺めることができています。
夕焼けに染まる富士山を見て、心が洗われる思いです。
得も言われぬ気持ちで富士山を見ることは誰にでもあることではないでしょうか。
もしかしたら、それ自体も富士山信仰の名残なのかもしれませんね。
富士山の日と制定された2/23は昨年から新しく祝日となりました。
天皇交代に伴い、それまで上皇様の誕生日であった12/23から徳仁天皇の誕生日2/23に変更となりました。
日本のシンボルでもある天皇誕生日と富士山の日が同じであること、上皇様のお誕生日にも223の文字が含まれていることに不思議な縁を感じている今日この頃です。