霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

戒名は必要?

2021年02月13日

1年を通して、お客様から戒名に関してのお問合わせをよくいただきます。

戒名とは、仏の教えに帰依し、行動や精神を律する規則を守ると誓った者に対して与えられる名前の事です。

本来は生きている間に戒を受け、仏教者としての生活をおくる事が理想とされておりましたが、現代では、仏の世界に行くのに俗名(生前のお名前)のままでは行けないという考えから、亡くなった時に戒名をつけ、浄土へ送り出しています。

戒名は中国に仏教が伝わり、漢字文化の中で生まれたもので、元々は2文字を基本とするシンプルなものでしたが、現在では戒名の上に道号が、さらに院号・院殿号がつけられ、戒名の下には位号がつけられ、その一連の文字校正を称して「戒名」と呼ぶようになったという事です。

また、子供にも戒名をつける事ができます。

水子は流産・死産の場合、嬰子・嬰女(えいじ・えいにょ)は出産から満一歳まで、孩子・孩女(がいじ・がいにょ)は1歳から3~4歳まで、童子・童女(どうじ・どうにょ)は4~5歳から14~15歳ぐらいまでと、おおよその基準があります。

寺院墓地にお墓をお持ちの場合は、その寺院に戒名をいただくのが一般的ですが、宗派不問の霊園に埋葬する場合は、戒名をいただかなくても差し支えはありません。

現在は、無宗教のため俗名で葬儀をなさり、そのまま俗名で埋葬される方もいらっしゃいます。

また、浄土真宗の場合は、戒名はつけません。浄土真宗の場合は戒を受けることがないので、戒名ではなく「法名」と呼びます。仏門に入って出家したもの・或いは釈迦牟尼仏の教えに帰して仏弟子になった事を表すものとして、釈迦の略称である「釋」の字を法名の上につけます。

「戒名は必ず必要なのか」というお問合わせをいただく事もあります。

戒名を授かる場合は少なからず費用も発生するため、あまり戒名に対し良いイメージを持っていない方もいらっしゃいます。

現代は、仏や死後の世界観が失われつつあるため、戒名が形骸化してきているとも考えられます。戒名を「俗世」と「浄土」を区切る名前と考え、戒名を受ける事は仏の世界への往来を約束するもの、安心して仏の世界へと旅立つことを約束するものと考えることで、遺族の方の心の支えになるのではないでしょうか。

もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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