よくある仏事の疑問「偶数は縁起が悪い?」
今回は、お見舞いやお香典、結婚式などのお祝いを包むさいにいただくご相談について取り上げてみます。
「香典を包むのに1万円では少ないけど3万円は多すぎる...。自分としては2万円位かなと思うのだけど...偶数じゃ良くないでしょうか?」というようなご相談を多くいただきます。
そもそも「偶数は縁起が悪い」といわれるのはなぜでしょうか?
1月1日・3月3日・三々九度の杯や七五三と、昔からお祝い事には奇数が多く使われてきました。
これは中国の陰陽説からきたもので、奇数は陽・天・日・明・表等のおめでたい数字とされ、逆に偶数は陰となり日の当たらない暗い意味がある数字として、贈り物には使われないという習慣がありました。
今は慶弔のどちらでも偶数を避けたほうがよいと考える人が多いですが、葬儀や法要で2万円という金額を包んだとしても失礼ということはありません。
もし、気になるようなら、1万円札と五千円札2枚の3枚にして包まれてはいかがでしょうか。
ただし、「死」「苦」を連想させる「4」や「9」は香典の額として避けるのがマナーです。
突然の悲しみごとであるお葬式は「前もって不幸の準備をしていた」ととられるから香典には新札でなく古い紙幣を使うとされていましたが、いまは、新札を使うことも多くなりました。
新札を入れる場合は折り目を入れて包むとよいでしょう。
香典袋は、一部宗派を除き、お通夜や葬儀、告別式などでは「御霊前」を、四十九日からは仏様の前に供えるという意味をあらわす「御仏前」を使います。