夏とお盆とタチアオイの花
この記事は2022/06/16に更新しています
毎日蒸し暑い日が続きますが、皆様はお元気でお過ごしでしょうか?
まだまだ夏本番はこれからですし、お身体に十分気を付けてお暮し下さいませ。
さてこの季節は、草花も暑さで少し元気がありませんね。
そうした中でもいつも気になるのは、花を咲かせたタチアオイのきりっとした姿です。
毎年梅雨の頃から夏真っ盛りの時季まで、田畑の隅っこや乾いた道端や学校のグラウンドの片隅に、いつの間にか背丈ほどに伸びたタチアオイの緑の茎に、薄紫や桃色の花が幾つも咲いていて驚かされますね。
長い冬の間は葉や茎の影も形も全くなかった場所に、突然背丈以上に伸びた大きな草に大きな花が幾つも咲いているのですから。
梅雨の長雨にも負けず真夏の強い日差しにも負けずに、いつもすっと!真っ直ぐに立っていて...。昔からとても好きな夏の草花です。
アオイ科の花にはタチアオイの他にも良く知られたゼニアオイ等もあり、園芸用に品種改良されたものもありますが、私が好きなのは古くに薬草として日本に持ち込まれ今では雑草のように日本中で花を咲かせている元々のタチアオイです。
でもだからこそタチアオイはタチアオイで、ずっと私達庶民に愛されているのだと思います。
芙蓉の花にも似ているのに少し華やかさに欠け?木槿の花にも似ているのに可愛らしさがいま一つ?
そんなタチアオイですが、夏にはいつも私達のすぐ傍で花を咲かせてくれます。
枯れた土地でも、水はけが悪くても、真夏の日差しの下でも、都会のコンクリートの端っこでも、どこでも振り返ればそこに咲いていてくれるのです。
もうすぐお盆になりますが、夏の強い日差しを浴びているお墓でも、よく見ればそうしたタチアオイの花に会えると思います。
私のお盆のお墓参りの風景には、いつもタチアオイの花が揺れていました。
そして花やその姿に、仏花のような趣を感じるのは私だけでしょうか。
...。今年もまたお盆には、お墓でタチアオイのあの姿に会えるような気がします。
(ちなみに、有名な徳川家の葵の家紋は~諸説ありますが~アオイ科でなくウマノスズクサ科のフタバアオイと言われている様ですね。とはいえ、葉の形はどれもほぼ同じようですけれど...。)
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