そもそも御布施とは?「三施」と「無財の七施」
この記事は2021/11/16に更新しています
皆様からいただくご相談の中でも、お寺様にお渡しする「お布施」に関しての事が多いですね。 そもそもお布施とは、葬儀の時の読経や供養の御礼としてお寺様へ差し上げるものだけを指すのではありません。
「お布施」には三種類あるといわれています。それは・・・。
1.財施(ざいせ)・・・お金や衣食などの物質を必要とする人に与えること。
2.無畏施(むいせ)・・・恐怖や不安を取り除き、安心を与えること。
3.法施(ほうせ)・・・仏教の教えを説くこと。
これを三施ともいい、金銭的なものだけでなく、悟りに到るための最も大切な実践すべき徳目であると言われます。
一般的に使われる「お布施」は、「財施」の事だったのですね。
お布施に関して私が気になる教えに、「無財の七施」というものがあります。
「雑法藏経」というお経の中で説かれている教えで、「無財」すなわちお金や地位がなくてもできるお布施です。
それは・・・
1.眼施(がんぜ)・・・やさしいまなざしで接すること。
2.和顔悦色施(わがんえつしきせ)・・・にこやかな笑顔で接すること。
3.言辞施(ごんじせ)・・・やさしい言葉で接すること。
4.身施(しんせ)・・・立って迎え丁寧に礼をすること。身をもって奉仕すること。
5.心施(しんせ)・・・心から深く供養すること。相手の心を思いやること。
6.床座施(しょうざせ)・・・座る場所を譲ること。
7.房舎施(ぼうしゃせ)・・・休息の場所を用意すること。
いずれも、「相手の身になり考えることが、自らの救いとなる」という教えだと思います。しかし簡単なようでとても難しいことですね。
ただ思うのですが、豊かな財は無くても、私にも心がければ出来る事はあるかもしれない・・・、そんな気も致します。
「お布施」はお寺様だけでなく、自分を支えてくれる人達や日々かかわりのある人達に対しても、行うべきことなのですね。