「のし」「のし紙」の意味と使い方
この記事は2022/03/07に更新しています
仏事のご相談でも「のし紙」という言葉をよく聞きますが、本来の意味や正しい使い方はご存じですか?
今回は、「のし」についてお話します。
◎「のし」とは?
本来、「のし」とは「熨斗鮑(のしあわび)」の略です。古来より長寿の象徴として贈り物にアワビを添える風習があり、それが簡略化して紙の飾りを使うようになりました。
現代では紅白の紙で黄色い短冊を折り込んだ「折りのし」や、掛け紙に直接印刷した「印刷のし」が使われることがほとんどです。
◎「のし紙」とは?
正式には、贈り物には白い「奉書紙」(和紙)に表書きと贈り主の名前を書き、用途に応じた「水引」を結びます。「のし」は右上につけます。
一枚の紙に表書きや水引が印刷されたものを「掛け紙」といい、さらにのしが印刷された掛け紙を「のし紙」といいます。
◎いつ使う?
「のし」は慶事の贈り物で使います。
なお、本来はのし=アワビなので、生もの(魚介類や肉など)を贈る場合ものしは付けませんが、現代ではあまり気にされていないようです。
仏事や御見舞の場合は、のしは使いませんので水引だけの「掛け紙」を使います。
また、自分や先方が喪中の際に贈るお中元やお歳暮には、のしや水引は使わず、無地の奉書紙を掛けるのがよいでしょう。
◎「内のし」「外のし」って?
「内のし」とは、贈る品物に直接のしをかけて上から包装紙で包むことをいいます。
「外のし」とは、包装紙の上からのしをかけることです。
お渡しする時に表書きが見えない「内のし」は、控えめにお渡ししたい内祝いや返礼の品を贈る際に使います。また、贈答品を郵送でお渡しする場合、のしが汚れないよう内のしにすることが多いです。
「外のし」は表書きや送り主の名前がすぐ分かるため、御年賀や結婚祝い・出産祝いや、直接手渡しする贈り物に用います。
ちなみに、仏事では基本的に内側に掛け紙をかけますが、葬儀の返礼品の当日返しや、直接お渡しするお供えは包装紙の上から掛け紙をかけます。