霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

セイタカアワダチソウは悪者?

2016年09月18日

この記事は2022/02/14に更新しています

先日お墓参りの途中で気になる草花がありました。
それはよく知られたセイタカアワダチソウです。昭和の高度成長の頃までは、開発によって生まれた空き地や線路端などいたるところで繁殖していました。

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2~3mの高さになる外来種の多年草で、地下茎から他の植物の種の発芽を抑制する物質を出し、在来種の草木を駆逐して広く群生していました。
ところが最近は余り見かけなくなった気がします。
9~10月頃、黄色の花を咲かせてその花粉が花粉症の原因と言われた時もあり、悪い外来植物の筆頭として、長い間憎まれてもいました。
今では花粉症の原因も別の外来種のブタクサと判明し、濡れ衣だったのですが。
花粉を風にのせて遠くへ運ぶ風媒花の杉や稲やブタクサ等とは違い、セイタカアワダチソウは虫の力を借りて花粉を運ぶ虫媒花なので、花粉症の原因である筈もなかった訳です。
養蜂家が蜜を採るために持ち込んだという説もあるほどです。

かつてセイタカワダチソウがはびこっていた場所には、今では同じ黄色の花を咲かせるブタクサやかつて追いやられていたススキなどが広がっている事も多いですね。
諸説ありますが、急激な開発で荒れ地となった場所に在来種の植物は育たず、適応力と繁殖力の強いセイタカアワダチソウが広まったとも言われます。その結果表土の流出を免れたとも・・。
また日本中で昆虫も少なくなっており、セイタカワダチソウをはじめ虫媒花の雑草は生き辛くなっているのかも知れません。
初秋にセイタカアワダチソウの黄色い花を見かけると、ただ悪い外来植物とは言いきれない思いがしている私です。

もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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