「うどんげの花」ってなんのこと?
この記事は2021/11/25に更新しています
夏の日に霊園の墓石や植栽の陰で、先端に小さな白い玉をつけた1㎝位の長さの糸の様なものが、何本も生えているのを見かけることがあります。
昔は、それを伝説の「優曇華(うどんげ)の花」だと思い、大騒ぎになった事もあるようです。
3000年に一度、尊い如来様がこの世に現れるときに咲くという、伝説の「優曇華(うどんげ)の花」の事です。
昭和の頃に、<うどんげの花がみつかった?>という記事が写真入りで新聞に載り少し騒ぎになった事もありました。
ただ今ではそれが「クサカゲロウ」という虫の卵だという事は、よく知られています。
薄緑色の小さな羽虫ですが、透明な羽をひらひらさせて真夏の夜にはよく街路灯の光にさそわれて飛んできます。
そして家の軒先や街路灯の傘でも卵(うどんげの花?)を産んでしまう事も多いようですね。
陽炎の様に儚い姿からその名がつけられたと言われますが、幼虫の姿は全く違います。大きな顎をもった肉食の虫で、農家の方やガーデニングをされている方から嫌われているあの「アブラムシ(アリマキ)」を主食としています。アリマキがいないとカイガラムシ等も食べてくれる益虫です。
梅雨が明けて日差しが強くなると、庭の草花にはいつの間にかアリマキが沢山ついていて困ってしまいますね。
ちょうどその頃、ひらひらと飛ぶ薄緑色のクサカゲロウを見かけたら大切にして下さい。
そして草花の葉の裏やまた軒先や物干し竿などを探してみて下さい。
意外な所に「うどんげの花」が見つかるかも知れません。
もし見つかればクサカゲロウの幼虫がアリマキたちを食べてくれるようになると思います。
3000年に一度の吉祥の花ではありませんが、少なくても植木の害虫を食べてくれる強力な助っ人である事は間違いないですね。