「ブッポウソウ」ってなに?
◇突然ですが、ブッポウソウと聞いて何を思われますか。
仏教の三宝である「仏法僧」を思い浮かべる方と、鳥の名や鳴き声を思い出す方がいるかと思います。
夏になると山林で夕暮れ時に「ブッポウソウ」という声がする事があります。
昔の人はその声を、有難い仏教の言葉「仏法僧」と聞いて驚いたことでしょう。
お盆の頃ですと、帰られたご先祖様の声と思ったかも知れません。
ただ声のする方へ行っても姿が見えないので不思議に思い、その場から飛び立つ鳥を見て「ブッポウソウ」と名付けたりもしました。
しかし実は全く別の鳥が鳴き声の主だとわかり、それは「コノハズク」という小さなフクロウでした。毎年夏になると南方から日本に渡ってくる夏鳥です(日本列島の南では渡らずに一年中暮らしているようです)。
手のひら程の小さな体と普段は木の洞等に居るので、その姿を見る事は余りありません。
主に夏の昆虫を餌にして日本で繁殖する渡り鳥で、同じく夏の渡り鳥のツバメは主に人里に住み、コノハズクは大木のある山林に住みます。
ところが最近都会の公園や小学校の大きな木々で、コノハヅクが巣を作る事が観察されています。
都会でも緑が多くなり洞のある太い木も増えてきたので巣を作る事もあるようです。
農薬も撒かれないので街には以外と昆虫も多く、ヘビなどの天敵も少ないので住み心地がいいのかも知れません。
今年のお盆のお墓参りでは、山林だけでなくもしかすると市街地でも「ブッポウソウ」という声が聞こえるかもしれませんね。
(その時は、「コノハズク」が近くで巣作りしているのかなと思いますか?
それとも、お盆に帰られたご先祖が「仏法僧」と唱えていると思うでしょうか?)