霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

梅雨明けに思う事

2016年07月16日

やっと梅雨も明けましたね。

じめじめして気分もすぐれずカビとかも気になりますし、梅雨は嫌いと云う方も多いと思います。

ところが私達の身近にあるお椀などの食器や、大切なお位牌や仏壇などで使用されている「漆塗り」にとっては、この梅雨時の湿気がなくてはならないものだそうです。

ご存知の方も多いかと思いますが、「漆塗り」は一般的な塗料の様に水分を蒸発させて乾燥させ固めるのとは、まったく違います。

植物である漆の木は生き物なので、身体の傷を治す為に樹液を出して身を守ります。その為樹液には、生命を守るための様々な成分が含まれています。

松やカエデやゴムの木も、皆同じです(これらの樹液も色々と利用されています)。

なかでも漆は大気中の水分を吸って、樹液に含まれた酵素や様々な成分が反応し固まります。その為、湿度の高い日本の梅雨が最適な環境だったのです。

今でも梅雨以外の季節では、職人の方々は「むろ」といわれる湿度を保った部屋で漆塗りの作業を行うという事です。 

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「漆塗り」は、どんな化学塗料よりも固く柔軟で、長い年月が経っても変化しません。

植物が身体を守り次の生命につなげる為に生み出した力です。

お位牌に漆塗りが使われているのも、日本の四季の気候の変化に対応し柔軟で丈夫だからですね。

日本では「漆塗り」は、縄文時代の遺跡から出土した装飾品や土器にも使われていたというのですから驚きます。

 

漆器は日本が一番優れていると言われます。それは勿論日本の漆の木と職人技があっての事ですが、この「梅雨」という季節も重要だったのですね。

梅雨は日本の農業にとってもとても大切な季節ですが、他にもこんな身近なところで暮らしに欠かせないものだと知りました。

 

それでも大切なお仏壇が破損したり傷ついたりした時には、仏壇店に相談しましょう。

最近は仏壇のリフォームを承っているお店も多いですね。 


もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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