「墓地だけ確保して墓石は亡くなってから」はできる?
「まだ誰も亡くなっておらず将来のためなので、墓地だけ近くに確保して、墓石はいずれ亡くなったら建てたい」というご相談をいただきますが、これは残念ながらほとんどの墓地で難しい状況です。
それは多くの墓地で契約する際に、墓石をいつまでに建ててくださいという期限を設定しているからです。
その期限はたとえば
「外柵(区画の周囲の柵や土台部分)を1年以内、石碑5年以内」
「外柵を半年以内、石碑は期限なし」
などです。
「いつ建てようが勝手でしょ!」と憤慨される人もいますが、これは霊園側にもそれなりの理由があります。
墓石を建てないまま放置されると雑草が生い茂ったり荒れたりして、周囲に迷惑をかけたり墓地全体の美観にも悪影響を与えることがあるからです。だれも入っていないお墓だと、当然お参りもしないわけで、墓地を契約したまま長年にわたり誰も行かないということもありますよね。
また、公営の霊園でもたとえば「3年以内にお骨を納めないと、当選した区画は無効」としているところもあり、公営でも民営でも「墓地だけ確保」は難しくなっています。(そもそも公営の場合は、亡くなった人がいないと申し込みさえできないところがほとんどです。)
ただ、誰も亡くなっていなくても先にお墓を建てておくメリットもあります。
ひとつは、亡くなって49日以内にお墓に埋葬したいと思っても、亡くなってからの準備では充分に検討する時間が足りないこともあり、先に建てておくと安心であること。
2つ目は墓石は祭祀財産として相続税の対象とはなりませんので、現金で残しておくより節税になることが挙げられます。
良い墓地が見つかったのに、「墓石を今建てなくないから」と見逃してしまうと、亡くなったときにはそこはもう完売してしまうかもしれません。
デメリットだけでなく、メリットもよく考えて決めたいですね。
写真は新規霊園 オアシス霊園 滝(岡山県玉野市)